秘密保護法案の危険を考える

 安倍内閣は国民の知る権利や言論の自由を奪う「秘密保護法案」を25日に国会に提出し、今国会での成立をねらっています。この法案の恐ろしさは、「何が秘密かも秘密」にされ、自分が接した情報が「特定秘密」かどうかわからないまま処罰されることです。パソコンやスマートフォンで、ある情報を調べ、ブロクなどに書き込んだら、ある日突然、事情聴取や逮捕、家宅捜索される可能性があります。なぜなら、秘密保護法案では何が「特定秘密」にあたるのかは、国民には知らされないからです。
 しかも、重大なことは、「秘密」を指定するのが「行政機関の長」だとされていることです。首相や外相、防衛相、警察庁長官らの勝手な判断で秘密の範囲をいくらでも広げられることになっています。
 いま大問題となっている原発に関わる情報も、「テロ活動防止」という口実で「特定秘密」の対象になります。そうすれば、毎日のように続く福島原発の汚染水漏れの情報も、場所が特定される理由で隠される恐れも十分にあります。
 麻生太郎副総理は、今年7月に「ドイツのワイマール憲法もいつのまにか、ナチス憲法に変わっていた。だれも気づかなかった。あの手口に学んだらどうかね」ととんでもない発言をしましたが、この「機密保護法案」は国民の目・耳・口をふさいで、日本を海外で戦争する国に変えていく恐ろしい法案です。このことを多くの方々に知らせ、「機密保護法案」を廃案に追い込むために力をつくさなければなりません。