6日、「子どもと教育を語り合う懇談会」に参加

 いじめ自殺」や「体罰」問題が各地でおき、多くの方々が心を痛めているなか、4月6日(土)日本共産党大阪府委員会が、子どもと教育を語り合う懇談会(「いじめ」と「体罰」をなくすために)を大阪府社会福祉会館で開催いたしました。
 懇談会では、山下よしき参議院議員日本共産党の「提言」を報告し、石井郁子元衆議院議員などが発言し、会場からも体験を踏まえた様々な提案が出されました。
 枚方市でも「体罰」問題が起こり、教員が処分されていたことが、先月各紙で報道されました。こうした「いじめ」や「体罰」問題をどう解決していったらよいのでしょうか。
 大津の「いじめ自殺」や桜宮高校の「体罰」問題が大きな社会問題になりました。「いじめ」や「体罰」は、どの学校にもあるといわれるほど広がっていますが、とりわけ二つのことを社会が正面からとりくみ、事態の打開をはかることが大切だと思います。
 一つは、目の前の「いじめ」や「体罰」から、子どもたちのかけがえのない命を守りぬくことです。もう一つは、なぜ、「いじめ」や「体罰」がここまで深刻になったのか、根本原因を考え、その要因をなくすことです。
 「いじめ」や「体罰」は、人権侵害や暴力であり、暴力は許さないという基本的な認識をもつことが大切だと思います。「いじめ」を「けんか」や「トラブル」と扱う風潮、「口で言ってきかないなら手を出さなきゃしょうない」といったような「体罰」を容認する考えが一部にあります。ですから、「いじめ」も「体罰」も、許すことのできない暴力行為だという認識が必要だと思います。
 次に、大切なことは、子どもの命最優先の対応をとることです。「いじめ」や「体罰」の相談があったとき、忙しいから後まわしにするようなことがあれば、とりかえしのつかない結果を招くことになります。子どもの命が一番大切だという、子どもの安全への深い思いを確立することが必要です。
ましてや「いじめ」や「体罰」を放置・隠蔽することは絶対に許されません。
 いじめられている子どもは命の危険にさらされているといっても過言ではありません。安心して学校にいれるような対応とともに、「心身を犠牲にしてまで学校にくることはない」ことを伝え、安全の確保を最優先することが必要です。
 いじめる子には、「いじめ」を反省し、人間的に立ち直るまで、徹底した措置とケアをおこないます。その際、子ども自身が立ち直ることを支える愛情が欠かせません。厳罰主義は、子どもの心を歪めるだけです。さらに、被害者の知る権利や「いじめ」の解決にとりくむための条件整備、教員の「多忙化」の解消や35人学級の完成、「いじめ防止センター」の設立なども重要だと思います。
 「いじめ」が深刻化し、日常化している大本に、子どもたちが強いストレスの下におかれていることが背景にあります。
受験競争や塾通いなど、時間的ゆとりがなく、競争や忙しさは、人間をバラバラにし孤立させます。ユニセフの国際調査では「孤独を感じる」日本の子どもの割合は29・8%で、他国と比べて高い数値となっています。競争と管理教育は、子どもたちの様々な問題行動を上から押さえ込むものです。いま必要なことは、子どもの声に耳をかたむけ、子どもの社会参加を保障し、子どもの成長を支える社会や教育に変えることです。また、過度の競争教育からの脱却を急ぐとともに、人間的な連帯のある社会をつくっていくことではないでしょうか。