「都構想」ノーの審判が下る

 昨日、「大阪都」構想の賛否を問う住民投票がおこなわれ、「都構想」ノーの審判がくだされました。投票率は66.83%と、大阪市民の関心の高さを示しました。「大阪都」構想は、政令市である大阪市をなくし、5つの特別区をつくうというものでしたが、出口調査では120年続いてきた大阪市をなくさないでほしいという願いが反対の5割を占めていました。
 橋下氏は「東京が戦前、東京市をなくして、特別区をつくったから発展した」ように言っていますが、まったくの見当違いです。
 東京は日中戦争が開始された1938年に、内務省が「二重行政」の除去を理由に「都制」案を提出しましたが、東京市議会やマスコミなどの反対が強く、棚上げとなりました。東京市が廃止され、特別区がつくられたのは、戦争の敗北が濃厚になってきたなか、当時の東条英機首相が戦争遂行のために、首都機能のいっそうの中央集権化を狙って、東京府東京市を廃止したものです。しかし、戦況はさらにいっそう悪化し、天皇にも見放され、1944年7月に辞職に追い込まれました。ここをしっかりとつかむことが大事ではないでしょうか。

      投票結果
反対 70万5585票 (得票率 50.4%)
賛成 69万4844票 (得票率 49,6%)