今日は憲法記念日、憲法25条が生かされる社会へ

 昨日、自動車保有を理由に生活保護を廃止した処分は、違法だとした大阪地裁の判決に対して、被告の枚方市が控訴しないことを発表し、原告の佐藤キヨ子さんの勝利が確定しました。長期にわたる裁判闘争、本当にご苦労様でした。  
 このたたかいは、「ルールなき資本主義」といわれる異常な日本社会で、「社会的ルール」をつくった歴史の1ページに刻まれるでしょう。特に「車の保有が認められた場合、日常生活での利用も当然認められるべきだ」という、判決は画期的なものだと思います。
今日は憲法記念日ですが憲法25条、「すべての国民は、健康で文化的な最低限度の生活を営む権利を有する。」「国は、すべての生活部面について、社会福祉社会保障及び公衆衛生の向上及び増進に努めなければならない。」が、全面的に生かされる社会に変えていかなければなりません。
 この間、自民党などは、一部の不正受給者の存在を口実にして生活保護制度への攻撃を強め、国民的分断をはかってきました。たしかに、一部の不正受給はありますが、全体から見ればわずかなものです。最近発表された2011年度の統計では、「不正受給額」が前年度の0.4%から0.5%に増えたとされ、自民党はこの数字をあげて生活保護を攻撃します。しかし、国税庁の調査データーによれば、法人所得税の申告漏れは、法人所得の3%〜4%にのぼり、国税庁が「不正脱漏」と判断したものだけでも1%前後になるとされています。これに比べれば、生活保護の不正受給が多いとはいえません。ごく一部の不正受給を理由に、生活保護の受給者全体が悪者であるかのような宣伝をするのは、断じて許されません。